各位:
この度CONCEPT SPACEでは、1990年からシリーズ化した「数寄者達 ー 琳派以後の方法 ー」の検証と、新しい視点に立った”琳派”を回顧することによって、日本美術の在り方を探る試みを実証します。
顧みると、1990年に福田 篤夫による個展が「琳派以後の方法」のサブタイトルのもとで開催されました。その展覧会では、日本の美術における斬新性と普遍的な美が、独自な方法によって国際的な評価へと繋がる全く新しいスタイルに昇華した”琳派”に、最新の日本美術が生息していることを示唆しました。1年後の1991年には、同じ群馬に住みながら日本の美術をそれぞれに研鑽している二人の美術家 白川 昌生と柳 健司が加わります。3つの異なる視点による「琳派以後の方法」は、日本美術の独自性とインターナショナルな動向を察知しながら、展覧会「数寄者達」が発足しました。
「数寄者達 ー 琳派以後の方法 ー」のシリーズは、その後、国の重要指定文化財である臨江閣や群馬県立近代美術館、そしてフランス、ドイツをはじめとする世界各都市のアートスペースなど、国内外のさなざまな場所によって14回の展覧会を開催しています。
今回15回目の展覧会にあたり、白川 昌生、柳 健司、福田 篤夫の三人のアーティストは、34年の時間軸の推移から導かれる「数寄者達 ー 琳派以後の方法 ー」の回顧と、未来に向けた三者三様の日本美術の提案を行います。
白川 昌生(1947年生・前橋)は、CONCEPT SPACEが主催して開催した「渋川現代彫刻トリエンナーレ」に於いて、波板亜鉛鋼板と瓦による野外彫刻によって、彫刻の耐候性や普遍性の新しい思考のあり方、未来を予感させる彫刻作品をもって、当時のアートシーンに一石を投じるような強いインパクトを残しました。コンセプチュアルアートとして言語と概念を主観にした優越な作品と、同時に展開される一連の彫刻作品は、日本美術の先進導坑の実際を担っています。
柳 健司(1961年生・佐賀)は、建築的なスケールで展開させた一連のインスタレーションによって、空間把握と彫刻の求心的な視点の投げ方の解放に成功した稀有な美術家のひとりです。その展開の推移(アプローチ)は、一連の作品のタイトル「アプローチ」が示す通り、視覚原理の拡散試行とインスタレーションを体感として提示してきています。最初の「数寄者達」展で示した、ガラス球の中に閉じ込められた水と魚と水草によって生命の循環を示した最小の地球は、まさに求心視点によってみえる拡散視点の逆説的な概念上の思考を暗示する作品として強い印象を残しました。
福田 篤夫(1958年生・渋川)は、宗達、光悦、光琳の残したパルス、パッションに導かれながら、和紙、漆、金、銀箔を素材したインスタレーションによって、伝統美術から現代美術へとそのジャンルを超えた日本美術の在り方を提示しています。彫刻作品が、石、木などを掘り刻み新しい生命を宿すように、”美術という概念”を素材にさまざまな”掘り刻みと構成”によって、美術を新しい彫刻作品として再構築する実験を繰り返します。地球温暖化によって絶滅の危惧にある珊瑚や植物と漆といった天然素材を使った一連の彫刻作品によって、背後に隠されている概念の解読を促しています。
今回、1991年から2024年へ世紀を超えて新しく展開する「数寄者達 ー 琳派以後の方法 ー」は、三人のアーティストが、新たな視点と思考によって展開される”琳派”の有様を解読していきます。
33年ぶりに再会する数寄者達がどのような作品を展開させるのか。皆様お誘い合わせの上ご高覧いただきますようご案内申し上げます。
CONCEPT SPACE
展覧会: 「数寄者達 ー 琳派以後の方法 ー」1991〜2024
白川 昌生 柳 健司 福田 篤夫
会期 : 2024年10月5日(土) 〜 10月26日(土)
1:00pm 〜 5:00pm
(毎週 金・土・日開廊 要予約・無料)
*ご高覧には前日までの予約をお願いいたします。
下記E-mailからお申し込みください。
会場 : CONCEPT SPACE
CONCEPT SPACE/R2
〒377-0007 群馬県渋川市石原309−8
E-Mail: hukuda3323@yahoo.co.jp
Tel: +81(0)90−8582−0414
Fax:+81(0)279−24−5252
座談会 ー 四方山話 ー
「“ちがう穴の狢”瑕を舐めあう。」(仮題)
参加作家 +田中 龍也(群馬県立近代美術館)+
2024年10月5日(土)17:00〜 Concept Spaceに於いて
ご参加には前日までの予約をお願いいたします。
下記E-mailからお申し込みください。
参加料(寄付金):志納 (能登半島地震復興支援として寄付致します。)
問合せ・予約:E-mail: hukuda3323@yahoo.co.jp
Comments